卓球ラケットのラバーの選び方|シニア女性によくない例

074995自分のスキルや特性に合わないラバーを使っていると、プレーそのものだけでなく練習の質や上達度合いにも影響します。

ここでは弾みすぎるラバーを使っていた例と、自分のプレーの特徴に合わないラバーを使っていた例を2つ、合計3つを紹介します。

登場するAさん、Bさん、Cさんはいずれも60代の女性で、シェークのラケットの両面に裏ソフトラバーを貼っています。3人とも60代になってから卓球を始めましたが、どちらかといえば健康増進が目的で、試合の経験はほとんどありません。

また3人とも、基本技術を一通り身に付けていますが、自分からボールに回転をかけたり、切れたボールに対応するのが苦手です。なお本文中では、用具の名前の後にメーカー名をカッコ書きで記しています。

良くない例・弾みすぎる

まず、弾みすぎるラバーを使っていた例を取り上げます。卓球教室で筆者と一緒だったAさんは、ラケットの両面にテナジー25(バタフライ)をというラバーを貼って使っていました。

バタフライのテナジーシリーズといえば、ものすごく弾み、回転もよくかかり、トップ選手御用達といってもよいラバーです。Aさんによれば、自分は力んで打つ癖があるから、力を抜いて打てるようによく弾むテナジーを使っている、とのことでした。

しかしながら筆者が見ていた感じでは、ラバーの反発力が強すぎるために、それに対応しようとしてかえって力んでしまうのではないかと思いました。そのうえラバーが弾みすぎるために、ボールを全くコントロールできません。打球のスピードは速いのですが、自分の力で打っているのではなく、ラバーの性能に振り回されているような感じです。練習していても、ただ闇雲に打っているだけです。

結局Aさんは教室をやめてしまいましたが、Aさんがもっと性能を落としたラバーを使っていれば、もっと質の良い練習ができたのではないかと思います。

次に、自分のプレーの特徴に合わないラバーを使っていた例を2つ紹介します。

特徴に合わないラバーを使っていた例1

Bさんは身長が165cm以上あり、60代の女性にしては背が高く、体格を生かしたパワフルなプレーを持ち味としています。普通にフォア打ちをしていてもボールに力があり、スマッシュの威力はすごいのですが、その反面回転のかかったボールにはまったくといってよいほど対応できず、自分でボールに回転をかけることもほとんどできません。ラケットのフォア面にはファスタークG-1(ニッタク)、バック面にはファスタークS-1(同)を貼っています。

このことを知って、Bさんには大変失礼ですが、ラバーの特徴を生かし切れずにもったいないことをしていると思いました。ファスタークG-1といえば、ニッタクが出しているラバーの中でも最高性能といってよいものです。このラバーはスピードがかなり出るので、この点ではBさんは自分の特徴を生かしているといえます。

その一方でファスタークG-1は、スピードが出る以上に回転がものすごくかかります。回転がかかりやすいラバーは相手のボールの影響も受けやすいので、この点から見ると、自分からボールに回転をかけるのが苦手で、回転のかかったボールに対応するのも苦手なBさんは、ラバーの特性を全くといってよいほど生かしていないことになります。本当にもったいないことです。

特徴に合わないラバーを使っていた例2

もう1つの例を紹介します。Cさんはボールに回転をうまくかけられないことに悩んでいて、回転をかけられるようにとタキファイア・ドライブ(バタフライ)という粘着性のラバーをラケットの両面に貼っていました。

しかしながらCさんはボールをこすって回転をかけるという感覚が身についていなくて、ツッツキ(下回転のかかったボールに対して、下回転をかけて返球する打法)はラケットを斜めに寝かせて前に押すだけ、ドライブ(ボールに上回転をかけて打つ打法)は普通のフォア打ちと同じような感覚でラケットにボールを当てる、といった具合です。

ラバーを粘着性にしたからといって、打ち方を変えない限りボールに回転がかけられるようにはなりません。スマッシュは打てるのですが、タキファイア・ドライブはそれほど弾みが強くないので、せっかく打ったスマッシュも威力がいまひとつです。これでは粘着ラバーの特徴を生かせないし、Cさんの特徴も生かせません。

なおCさんはその後、フォア面に貼るラバーをハモンド(ニッタク)という、回転はかけにくいがスピードの出る裏ソフトラバーに変え、バック面を表ソフトラバーに変えました。回転にこだわるよりも、スピードを重視して自分の特徴を生かすように、発想を転換したといえるでしょう。

このように自分の特徴をしっかり把握することで最良のラバーを選ぶことができます。必ずしも最高性能のラバーがいいとは限らないことはわかっていただけたのではないでしょうか?